がん予防

特定非営利活動法人  日本免疫学会学術集会記録より

がん予防における超短波照射の有効性

2008日本免疫学会総会・学術集会記録

1-H-W16-26-P   がん予防における超短波照射の有効性の検討

/Effect of ultrashort-weve to cancer prevention :

小林 敬広、神田 泰洋、川村 俊彦、安保 徹

(新潟大学大学院医歯学総合研究科免疫学・医動物学分野)
緒言、超短波は効率よく体内深部まで到達し、その温熱効果により、血管拡張、血流量増加、新陳代謝の促進などの効果が期待できる。

2005年の本学会において、われわれは、超短波照射がストレス時にみられる顆粒球増多を改善させる作用があることを報告した。本研究では、超短波照射のがん予防に対する有効性をマウスモデルで検討した。方法、マウスはC57BL/6マウスを用いた。腫瘍細胞はEL4(C57BL/6マウス由来リンホォ-マ)を用いた。あらかじめマウスに超短波照射(出力20W、5分間)を一回行い、超短波照射後CFSEでラベルした腫瘍細胞(1x10s)をマウス腹腔に移植した。

所用細胞移植時間後に腹腔から細胞を回収し、腫瘍細胞をフローサイトメトリーにて解析した。また、腹腔のリンパ球サブセットの変化を解析するため、超短波照射前後で、腹腔のNK細胞、NKT細胞などの割合の変化をフローサイトメトリーにて解析した。{結果}対照群における腫瘍細胞の残存率は平均7.2%であったのに対し、超短波照射後群における腫瘍細胞の残存率は平均2.9%であった、また、超短波照射後には、腹腔中のNK細胞およびNKT細胞の割合が増加した。この結果は、超短波照射は、免疫系に作用して、腫瘍細胞の拒絶を促進させることを示唆する、以上により、超短波照射は、がん予防に有効であることが示唆された。

Proceedings of the Japanese Society for Immunology (JSI)

Vol. 38,2008

ISSN 0919-1984